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・青鬼集落には、トタンを被っているものの15戸の茅葺き民家がまとまって残されている。どの建物も手入れが行き届いており、人々は誇りを持って生活している。
・集落は豊かな自然に囲まれ、周辺の山には電線もみられず、人の手のはいらない自然が残されている。
・道祖神など石仏が多く残り、民俗文化財の宝庫でもある。
・縄文後期の遺跡も発掘されている。
・集落には御善鬼様を祀る青鬼神社があり、集落の人々は祭をまもっている。
・近代まれにみる農村集落景観が残され、全国的にもひじょうに貴重な存在である。
・開発などによる破壊の緊急性はないが、民家調査を行い、景観の保全をはかる策をたてる必要があると考えられる。

 

2−b 大出地区(略)

 

2−c まとめ
・白馬村では、1998年の冬季オリンピックの主要会場として世界から競技者や観光客が集まると見られており、そのための受入れ施設の建設が進められている。その中にあっての白馬村の民家は規模も大きく、外観も美しい。特に青鬼集落や大出地区は民家がまとまっており、全国的にも貴重な農村集落景観として評価できる。両地区の景観を白馬村の文化資源として見直すべきであろう。そのためには、学術的な民家調査を経た上で、景観保全のための計画がたてられていく必要があると考えられる。

 

 

 

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